再開発の悩み

最終更新日:2024.02.06

再開発組合からの立退き請求に応じないとどうなるか弁護士が解説

全国の駅前などを中心に行われる「再開発」。

現在お住まいの家や店舗・不動産物件などが再開発エリアに該当した場合、新しいビルへの入居などと引き替えに、今の場所から立ち退かなくてはなりません。

「絶対に立ち退きたくない!」という意思があり、担当者がたずねてきても断り続けていると、再開発組合から法に基づく明渡し請求(立退請求)を求められます。

この明渡し請求も無視し続けた場合、いったいどうなってしまうのでしょうか?

実は、一般的な立ち退きと再開発ではこの部分が大きく異なるため注意が必要です。

再開発組合からの立ち退き請求を無視していると、そこに書かれた期限が来たら強制的に立ち退きが実行されることになります。(都市再開発法98条2項)

そうなると、本来は獲得できたはずの高額な立退料は受け取れず、極めて不利な条件で追い出されてしまうのです。

そうならないためにはどのような手順を踏めばいいのか解説しましたので、ぜひ読んでみてください。 

【再開発以外】の一般的な立ち退きの場合

皆さんは、「立ち退きがイヤならずっと居座っていればいいんだよ」といった話を聞いたことはありませんか?

再開発以外の一般的な立ち退きであれば、場合によってはこれは当てはまります。

借地借家法28条に定める「正当事由」が認められない限り、賃借人は立退請求に応じなくても良いとされているためです。

正当事由とは、例えば「建物が老朽化し、耐震基準に適合していない建物であり、早急に解体する必要がある」といったものです。

つまり以下のような貸主の都合だけでは、いくら立ち退きを求めても認められないといえます。

  • 大家さんが貸家を自分で使いたくなったので、今借りている人に退去してほしい
  • アパートの建っている土地が高く売れそうなので全部の世帯に出て行ってほしい

さらに裁判などで正当性が問われる場合、耐震基準については第三者の診断審査結果などがないと認められませんし、立退料を払う意思があるかどうかも考慮されます。

このように、「正当事由」のハードルは極めて高く、実質的には貸主から相当の立退料を支払わない限り立ち退かせることは困難です。

一般的な建物の賃借人は借地借家法により手厚く保護されており、借主は相当の立退料の提示がない限り、立退き請求に応じず居座って交渉することも可能です。

【再開発】における立ち退きの場合

一方、再開発のケースでは、再開発組合は占有者に対して「明渡し請求」を行うことができます。(都市再開発法96条1項2項)

▼「再開発」とは?詳しい解説は以下の記事も参考にしてください
(「再開発とは」の記事公開後にリンクを設置して下さい)

明渡期限を過ぎても占有者が土地を明け渡さない場合は、組合の請求により都道府県知事が明渡しの代執行を行います。

また組合は、都道府県知事による代執行以外にも自ら所有者として所有権に基づく明渡し請求をすることも認められています(例:東京高判 平11・7・22)。

つまり、再開発に関しては「立ち退きに応じない」という選択肢はないといって良いでしょう。もし応じないでいると、荷物を運び出されるなど強制的な方法で立ち退かされてしまいます。 

立ち退きに応じないでいるとどうなる?

再開発の立ち退きで請求に応じないでいると、皆さんの身の上になにが起こるのでしょうか?

大きくは次の2つが挙げられます。

  • 裁判を起こされ、ほぼ敗訴する
  • 不利な条件(低廉な立退料)で立ち退かされる

それぞれ具体的にみていきましょう。

裁判を起こされ、ほぼ敗訴する

組合側からの明渡し請求を無視しつづけていると、こんどは立ち退きを求めて裁判を起こされます。

裁判では組合側の主張が記載された訴状に対して適切に反論しなければならず、一般の方がプロの弁護士を相手に裁判で対応したり、勝訴に持ち込んだりするのは現実的に困難です。

過去の再開発事業に係る明渡し訴訟においても、一般に認容される(=組合側の言い分が認められ立ち退くように命じられる)ケースがほとんどであり、勝訴の見込みは基本的にないと思っておいた方がよいでしょう。

不利な条件で立ち退かされる

裁判を起こされた場合、裁判の場では「占有者に立ち退く義務があるかどうか」だけが争われます。

つまり判決の内容は、立ち退く義務があるか/立ち退く義務がないかの二択となり、立退料の金額や新しいビルに入るとしたらどのような条件になるか…といった議題は重要な争点として取り上げられません。

再開発の立ち退き裁判では組合側の請求が認容されるケースがほとんどであるとお伝えしたとおり、占有者は立ち退きが確定することになります。また、立退料については、弁護士が適切な時期に交渉を行えば相当の増額が期待できるものの、立ち退き自体を争う裁判では立退料について十分な交渉ができないため、本来獲得できたはずの高額な立退料は受け取れません。その結果、極めて低廉な立退料で立ち退かされることになります。

再開発の立退請求をされたら、まずは弁護士へ相談を

そういうわけで、再開発においては、組合側からの明渡し請求に応じないという選択肢は基本的には存在せず立ち退きは99%確定事項と考えましょう。

また立ち退きに応じないまま裁判になれば不利な条件で追い出されることが目に見えています。

再開発組合というのは、専門的知見や経験豊富なメンバーが多く在籍する組織です。

しかし立ち退き請求される側の住民や商店主は専門知識を持たない個人であり、適正な立退料がいくらなのかも判断できず、情報格差は大きなものがあります。

裁判になったとしても、再開発組合に対抗するのは現実的に極めて困難と言わざるを得ないでしょう。

どうしても立ち退きが避けられないのであれば、1円でも多く立退料を獲得するなど、有利な条件で立ち退きできるよう交渉すべきです。

交渉にあたっては、立ち退き交渉に強く、経験豊富な弁護士に相談することを強くおすすめします。

明渡し請求を受け取ってから実際に立ち退くまでには、通常30日の猶予が設けられますが、これは何があっても30日で追い出されるのではなく、弁護士による適切な交渉で期間が考慮されたり、当初組合から提示された立退料よりもはるかに多い金額を獲得できたりすることも多くあります。ご相談は以下より無料で受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡下さい。

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